〈アルテック〉のパーツを使って、ÉCALと武蔵野美術大学の学生がおもちゃづくりに挑みました。
現在のデザインシーンを牽引するデザイナーを数多く輩出しているスイス・ローザンヌの芸術大学〈ÉCAL〉。さまざまな企業と産学協同プロジェクトを行うことで知られる同校のインダストリアルデザイン科2年生のフィンランド研修旅行をきっかけに、インテリアブランド〈アルテック〉と共同プロジェクトが始まったという。
学生たちは製造工程で傷がついた部品などの提供を受け、子ども向けのおもちゃを制作。その成果はフィンランドの『Fiskars Village Art & Design Biennale』やヘルシンキのアルテックストアで発表され、〈Artek Tokyo Store〉へ巡回されることとなった。
日本での開催にあたり、〈ÉCAL〉は〈武蔵野美術大学〉工芸工業デザイン科で教鞭を執るプロダクトデザイナーの熊野亘に連絡をとる。〈ÉCAL〉でも指導を行う彼のもと、〈武蔵野美術大学〉の学生がコンセプトを共有した作品制作を行った。
〈武蔵野美術大学〉から参加したのは、クラフトデザインコース木工専攻、インテリアデザインコースの学部2年から院1年の学生たち。アルテックの製品は成形合板や無垢材を曲げた《L-レッグ》など、技術とデザインが巧みに結びつく。
この精神を受け継ぎながら、「学生だからこそできる自由な発想を大切に。パーツを再解釈しながら、そこに込められた意図とともに楽しさや遊び心を感じる表現を目指しました」と熊野は言う。
一週間という限られた制作期間であったが、熊野は学生に〈アルテック〉の歴史や特徴をレクチャー。そこから、熊野が学生たちの発想をサポートする形で制作が進められた。