【今週見るべき展示会】国立西洋美術館のリニューアルや鈴木理策の個展など

本展は去る4月、1年半の休館を経て再開館した国立西洋美術館のリニューアルオープン記念展。ドイツ・フォルクヴァング美術館とコラボレーションし、印象派、ポスト印象派を軸にドイツ・ロマン主義から20世紀絵画までの作品を通して、芸術家たちはどのように自然と対話し、どのようなヴィジョンを描いてきたか――自然と人の対話(ダイアローグ)から生まれた近代の芸術の展開をたどる。出展作家はゴッホ、マネ、モネ、セザンヌ、ゴーガンなど。よく知られた画家たちの作品も「自然との対話」という視点で眺め直すことで、新たな発見が得られるに違いない。
見どころのひとつは、今回ドイツから初来日となるゴッホの《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》。炎天下の麦畑で農夫が黙々と麦を刈る姿を描いたその風景画に、ゴッホは「自然という偉大な書物が語る死のイメージ」を見たという。自然の中で繰り返される循環的な営みとその一部である人間の生死を暗示する風景。それが光り輝く太陽のもと、金色に輝くように描かれているのも感慨深い。是非とも会場で実物を観賞したい1枚だ。
(画像)
ゴッホ《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》
1889年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館
『国立西洋美術館 リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』
会期:6月4日(土)~9月11日(日)
会場:国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30~17:30(金・土曜は20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで。
休館日:月曜、7月19日(火)※ただし、7月18日(月・祝)、8月15日(月)は開館
料金:一般 ¥2000、大学生 ¥1200、高校生 ¥800
※チケットは日時指定制。詳細はこちらから
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)