那須氏の里・福原地域を深掘り 栃木・大田原の那須与一伝承館
同市南部に位置する福原地区は、戦国時代に上那須氏(那須氏の本家)の本拠があり、江戸時代には那須氏の陣屋が置かれるなど〝那須氏の里〟として知られている。現在も、江戸時代に那須氏が修復したとされる福原八幡宮や祈願寺の金剛寿院などが残る。
同展では、そんな同地区の歴史を深掘り。那須氏関係では「那須與一之碑」の拓本や「下野国那須内知行方目録」などが展示されている。同目録は豊臣秀吉の小田原参陣に従わなかった那須氏が一度は所領を没収されたものの、復興が許された際、秀吉から拝領した福原をはじめとする5千石の領地が記されている。
このほか、同地区の調査で判明した那須氏以外の史料なども公開。明治25年に当時の佐久山町役場に提出されたという「大字福原渡船賃銭表写」や大正7年に福原尋常小学校を増築した際の図面、地元の人が昭和35年に撮影した「福原地区俯瞰写真」などが初めて公開されている。
先月29日には、「福原-那須氏ゆかりの里」をテーマに、重藤智彬学芸員による講座も開かれた。重藤学芸員は「福原地区は歴史や伝統を色濃く残している地域。その魅力を感じてもらい、歴史や伝統を未来へとつなぐ一助となれば」と話した。
問い合わせは同館☎0287・20・0220。(伊沢利幸)