設立25周年〈WOW〉が見せる新作映像に浸る展覧会へ。
〈WOW〉はCM、コンセプト映像などの広告における映像表現から、インスタレーションによる映像演出、メーカーと共同で開発するユーザーインターフェイスデザインまで、幅広くデザインを行っている。今回行われる展覧会は設立25周年を記念するものだが、これまでの代表作を振り返るのではなく、出品されるのはすべてこの展示のために制作されたオリジナルの作品だ。展覧会のテーマは「Unlearning the Visuals(アンラーニング・ザ・ビジュアルズ)」。これまで学んできたことを一度解体し、また新たに構築しようという意志が込められている。
展示作品の《Viewpoints》は鑑賞者が包み込まれるような映像インスタレーション。鑑賞者が動いて視点が変わることで異なる景色が見えてくる。《Refraction》は曲面アクリルによる屈折を利用した、万華鏡のような効果のある作品。《回す》という作品は文字通り、デバイスを「回す」ことで映像が展開されるインスタレーションだ。会場演出の一部として、通路には《モーション・モダリティ / 風の痕跡を持つ通路》を設置。風で揺れる木漏れ日の気配を感じられる。
この展示は前述の通り、これまでの作品による回顧展ではない。これまでの25年を踏まえつつ、次の区切りである30年を見据えたものだ。進化し続けるテクノロジーとアイデアで、次の時代の映像表現が見えてくるに違いない。
〈寺田倉庫 E HALL〉東京都品川区東品川2-1-3。2022 年10月15日~ 10月30日。会期中無休。11時~20時(最終入場は19時30分、10月20日は16時最終入場、16時30分終了)。一般当日 1,000円ほか。