静岡県立美術館が4月に再始動。「VR 地獄の門」などデジタルアーカイブ充実も
4月2日からは、作品を展示するための「ハコ」である美術館の展示室にフォーカスした「大展示室展」を開催(~5月15日)。近年、世田谷美術館や松濤美術館など、美術館の建物そのものを展覧会にする事例が増えつつある。この展覧会では、展示室の様々な機能を一挙に紹介することで、美術館の「裏方」に光を当てる。
その後、約半数が日本初公開作品となる「兵馬俑と古代中国
~秦漢文明の遺産~」(6月18日~8月28日)、富士山をはじめとした日本各地の風景を描いた江戸時代の絵画を中心に展示する「絶景を描く-江戸時代の風景表現-」(9月10日~10月23日)を開催。
注目したいのは、11月から始まる鴻池朋子の個展(11月3日~2023年1月9日)だ。同展では、鴻池の過去作に加え、新作も発表。さらには静岡県立美術館のコレクションをトータルインスタレーションで織り交ぜる展示構成となるという。
22年度の最後は、コレクションを中心に明治以降に描かれた日本画を集中的に紹介する「近代の誘惑―日本画の実践」(2月18日~3月26日)で締めくくられる。
なお、同館では4月1日に収蔵品情報をアップデートしたデジタルアーカイブを公開。オーギュスト・ロダン《地獄の門》の3Dモデルと、池大雅《蘭亭曲水・龍山勝会図屏風》(国指定重要文化財)の超高精細画像がウェブ上で公開される。