『10万円支給に専門家は「パパ活おじさんと同レベル」 マイナカードのポイント付与と併せて5兆円の予算』への皆さんの反応まとめ
【写真2枚】この記事の写真を見る 今月中に取りまとめられる経済対策。柱の一つが、18歳以下の子どもに対する一律10万円の現金給付だ。連立与党の一翼、公明党の衆院選での公約である。
「なぜまた同じようなことを、といった印象です」
と首を傾げるのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏。
「昨年、特別定額給付金として配った10万円も、7割以上が貯蓄に回り、経済効果がなかったといわれているんですから」
実はこれ、自民党内でも疑問視されており、“一律でいいのか”“所得制限を設けるべきでは”との意見があるという。ただ、
「両党間の協議の着地点はまだ見えないものの、自民党としては連立与党の安全運転のため、また来年の参院選で協力してもらうため、公明党の意向にある程度は配慮せざるをえないでしょうね」(同)
もちろん、政策そのものに妥当性があるならいいが、
「意味不明ですよ」
と、慶応大学大学院准教授の小幡績氏は断じる。
「経済的に困窮しているのは、子どものいる家庭ばかりではありません。コロナ禍で子育て世代が打撃を受けたと考えているようですが、コロナで子どもの外出の機会は減っていて、むしろお金はかからなかったはずではないですか」パパ活おじさんレベル 公明党は、各家庭で現金が入用となる来春の卒業・入学シーズンまでに給付したい意向だが、
「それなら本来、毎年同じ時期に金を配らなければいけないはず。つまり、なぜ“今”現金を給付すべきかという理屈がないのです。“現金をあげるから、これでハッピーになってね”という最低な援助の仕方で、子育てや若者への有効な支援策を打ち出せないと白状したに等しい。言い方は悪いのですが、彼女の誕生日に何を贈っていいのか分からず、ただお金を渡すのと同じ。“パパ活おじさん”レベルです」(同)
大盤振る舞いは他にも。マイナンバーカードの新規取得者や保有者への1人3万円分のポイント付与が検討されているが、これもまた公明党の選挙公約だ。伊藤氏が言う。
「先の選挙では、公明が10万円と言えば、立民が負けじと“低所得者に12万円を”と唱えるなどバナナの叩き売り状態。長期的ビジョンもなにもない。パンとサーカスを国民に与えた古代ローマの政治よろしく、その瞬間、腹が満ちるものさえ配っていればいいという感覚はいかがなものか」
目下、自公両党の間では、早期に現金5万円を支給し、のちに5万円分のクーポンを配布する方向で検討が進む。このための予算2兆円、マイナカードのポイント付与で3兆円。5兆はすべて国民の負担である。
「週刊新潮」2021年11月18日号 掲載新潮社