アート展巡りの旅へ。今見たい新潟や青森で開催中の芸術祭
いまでは日本各地で開かれるようになった地域芸術祭。その先駆けと言えるのが、新潟県越後妻有地域を舞台にした『大地の芸術祭』だ。2000年から3年に一度開かれてきたが、2021年はコロナ禍により延期され、今年4月29日に開幕日を移した。今回も十日町、川西、中里、松代、松之山、津南の6つの地域、約200の集落に333の作品が展示され、またパフォーマンス作品も展開する。2018年に公開されSNSで話題になった清津峡渓谷トンネル内のマ・ヤンソン/MAD アーキテクツの《Tunnel of Light》、宿泊できるジェームス・タレルの《光の館》やマリーナ・アブラモヴィッチの《夢の家》など、越後妻有越の風土を生かしたもの、越後妻有にしかない世界的作家の作品も多い。
注目は、昨年末に完成したイリヤ&エミリア・カバコフの《手をたずさえる塔》。イリヤは旧ソビエト連邦(現ウクライナ)で生まれ育ち、現在はニューヨーク在住。作家曰く、この作品は民族、宗教、文化の違いについて平和的に話し合うことを促すモニュメントであり、塔上のオブジェは世界の国や地域で起こっているニュースを反映して照明の色が変わるという仕組みだ。また、芸術祭の拠点のひとつ「越後妻有里山現代美術館 MonET」での「大地の芸術祭2000-2022 追悼メモリアルシリーズ 今に生きる越後妻有の作家たち」も見逃せない。芸術祭がスタートしてから23年間、そのうちに亡くなった12名の本芸術祭出展作家を追悼する小さな展覧会で、期間中、2週間ごとに展示替えを行い、それぞれの作品、越後妻有との関わりを紹介する。
『越後妻有 大地の芸術祭2022』
会期:~11月13日(日)
会場:新潟県越後妻有地域
休場日:火・水曜
料金:[作品鑑賞パスポート]一般 ¥4,500、大学・高校・専門学校生 ¥3,500、中学生以下無料
※作品鑑賞パスポートの詳細はこちらから
電話:025-761-7767(「大地の芸術祭」の里 総合案内所)