『京王「準特急」廃止を惜しむ声 一方で「なぜ千歳烏山」「関西のレア種別はどうなる」』へのユーザーの意見まとめ
【画像】準特急と特急の違いは? 関西にも「レア種別」が
準特急という列車種別は京王でしか使用されておらず、半ば京王のアイデンティティ的な存在でもありました。それが消えるということで、SNS上でも惜しむ声が続出しています。
準特急は2001(平成13)年3月に誕生。当時、特急との停車駅の違いは分倍河原と北野に停車するかしないかだけでした(のちに特急も停車)。準特急は2015(平成27)年9月に笹塚と千歳烏山にも停車するようになり、「明大前~調布間ノンストップ」ではなくなったことに戸惑いを覚える人も。そして今回のダイヤ改正で、特急への停車駅追加でついにそのノンストップ運転は完全に消滅。「京王ライナー」「Mt.TAKAO号」へ役割を譲ることとなりました。
「初見殺し」とも言えるこの種別に関わる思い出を持つ人も多く、
「字面が準急に似ているので、遅い列車なんだろうと思い、わざわざ見送って、なかなか来ない特急を待っていた」
「昔は準特急ばかり走っていたので、たまに来る特急は特別な料金がいるのではないかと思っていた」
などの声も聞かれました。
逆に「なぜ特急まで千歳烏山に停車?」「千歳烏山は優遇されすぎ」という声も多く上がっています。これについては、進行中の高架化事業によって千歳烏山駅が列車退避可能な「2面4線」の構造に生まれ変わるため、ここを緩急接続の拠点とする布石だろう、との見方もあります。現在のように「通過待ち」ばかりのダイヤから、「乗り換え」主体のダイヤに移行することで、分かりやすくなります。まだある日本国内の「レア種別」どこに残る? さて、準特急なき後、「レア種別」は引き続きどこで見られるのでしょうか。SNS上でも名前が多く上がっていたのが、兵庫県を走る神戸電鉄の「特快速」です。
2021年現在、神戸電鉄に存在する種別は普通・準急・急行・特快速の4種類。この特異な「特快速」なる種別は、1995(平成7)年に誕生。当時は「特急」と「快速」があり、特快速は「特急よりも停車駅が多く、快速よりも少ない」という存在でした。幾度のダイヤ改正を経て、特快速だけが生き残って今に至ります。
さらに兵庫県には、山陽電鉄の「S特急」があります。特急と比較すると、末端部が各駅停車となるのですが、一部区間では特急が停まる駅を通過します。「S」は「Service」などの頭文字とされていますが、結局速いのか遅いのかよくわからないため、シンボル的な文字を冠して差別化を図ったというところでしょう。
またJR阪和線では、2018(平成30)年まで「B快速」という表示を掲げた列車が走っていました。熊取~和歌山間が各駅停車となるもので、1日数本のみ運転されていました。
さて、京王の「準特急」と考え方を異にするのが関西を走る阪急京都線で、2007(平成19)年に急行が廃止されたあとも快速急行だけが残っています。特急と快速急行は京都市内の2駅に停車するかどうかの違いだけで、しかも同時間帯に2つが混在することはありません。京王と違い、互いに相棒というよりも「シフト」で分担しているような関係性です。乗りものニュース編集部