彫刻として残した猫との思い出を巡る。「朝倉文夫生誕140周年記念 猫と巡る140年、そして現在」が大分県立美術館で開催へ
朝倉は⼤分県豊後⼤野市朝地町出身で、1909年に東京美術学校彫刻選科を修了。徹底した⾃然主義的写実を貫き、48年には彫刻家として初めて文化勲章を受賞するなど、⽇本の彫塑界をリードする中⼼的な存在として⼤きな⾜跡を残した。
いっぽうで朝倉は無類の愛猫家としても知られており、数⼗体にものぼる猫の作品を残している。その作品の数々はともに暮らした猫たちとの思い出を⽇記のように造形化したものだという。
本展はそんな朝倉の創作を振り返るとともに、大分を拠点に国内外で活躍する現代作家らと朝倉作品が共演。朝倉の「猫」作品を軸に、現代作家らの視点で朝倉や猫をとらえ直すものとなる。参加作家は美術家の安部泰輔と絵本作家・美術家のザ・キャビンカンパニー。
また「猫と巡る140年」という展覧会コンセプトから、会場の空間構成やグラフィックにも工夫が施されているという。本展ウェブサイトでは、朝倉が手がけた野外彫刻をまとめた「朝倉文夫
屋外彫刻マップ」や展覧会ができるまでの裏側を垣間見ることができる写真も公開されている。
なお、朝倉文夫や本展について語るトークイベントや安部によるワークショップ、ザ・キャビンカンパニーの絵本読み語り会、担当学芸員によるギャラリートークなどの関連イベントや同館内カフェでは本展のためのオリジナルメーニューも登場するなど充実した内容となっている。興味のある方は是非こちらにも足を運んでみてはいかがだろうか。