日本を愛したディオール! チケット完売続出の「激レア展覧会」超人気のワケ
【女子的アートナビ】vol. 285
『クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ』は、パリ、ロンドン、中国、ニューヨークなどで人気を博した世界巡回展。70年以上にわたるディオールの軌跡が、約1,100点以上もの作品とともに紹介されています。
本展は、日本のために再考案されたもので、建築家の重松象平氏が会場をデザイン。キュレーションは、フロランス・ミュラー氏が手がけ、ディオールが影響を受けた芸術や、日本文化の魅力、庭園に対する愛などにもスポットがあてられています。
さらに、東京都現代美術館が所蔵するアート作品や、日本人写真家・高木由利子氏の魅力的な写真作品もあわせて展示。ディオールと日本がコラボした夢のような空間になっています。
ディオールは、フランス・ノルマンディー地方の裕福な家庭で誕生。両親が日本美術を愛好していたことから、家の中には北斎や歌麿などの絵が飾られ、子どものころから日本文化に憧れながら成長しました。
芸術を愛する青年となったディオールは、2つのアートギャラリーを経営。ピカソやマティス、ダリ、ジャコメッティなどさまざまな芸術家たちの作品を展示していました。
しかし、1929年からはじまった世界恐慌の影響を受けてディオールの実家が破産。また、彼自身も苦境に陥り、ギャラリーも閉鎖しました。
その後、生活のために描いていたドレスのデザインが評判となり、デザイナーとしてデビュー。1946年に、パリのモンテーニュ通り30番地にメゾン「クリスチャン・ディオール」を創業しました。
本展の会場を入ってすぐ、最初に見ることができる作品が、ムッシュ ディオールのデビュー作となった“Bar(バー)”ジャケットです。