川越の初雁公園本丸御殿周辺広場が開園 記念式典開催・埼玉
国内に現存する本丸御殿は、高知城(高知市)との2例しかなく、川越城の本丸御殿は嘉永元(1848)年に上棟された。明治維新後に次第に解体されたが、玄関と大広間の一部分だけが現存している。
同市は初雁公園の「城址(じょうし)公園化」を目指す基本計画を平成31年3月に策定。市は本丸御殿周辺に広場を設けることで、歴史を体感し、にぎわいや憩いの場として市民が利用できるよう、市制施行100周年を目標に整備を続けてきた。
約2500平方メートルの広場は、土の雰囲気に近い自然色舗装を施し、本丸御殿北側にあった北門や土塁などの場所に合わせて通路を設けたほか、かつて本丸内にあった「拾人部屋」と呼ばれる建物と同じ場所に同じ規模となる、延べ床面積約104平方メートル、木造平屋建ての休憩所を整備した。
式典で、川合善明市長は「本丸御殿前広場が城下町として発展してきた新たな川越のシンボルとして大いに利用されていくことを期待している」と話した。
式典ではテープカットが行われたほか、「川越藩火縄銃鉄砲隊保存会」による演武、川越市の友好都市である福島県棚倉町から寄贈されたシダレザクラの植樹式も行われ、イベントに花を添えた。本丸御殿周辺広場は1日から利用が開始される。