清水穣キュレーションによるshowcase展、いくしゅん「Definitely Local」
「生活の中で『写真にしたら面白い』と思った場面をデジタルカメラで『普通に撮る』」というのが、いくしゅんの基本スタイル。アーティストステイトメントもなく、コンセプトも特に持っていないといういくしゅんだが、特徴的なのは被写体が「動く/動いているもの」であり、その被写体の動きを予測しつつ、絶妙な瞬間を切り取り、作品としているところだろう。いくしゅんの写真の画面上 に現れているのは、私たちが日々の生活の中見逃しているシーンであり、彼のいう「普通に撮る」は普通の人の普通ではないのかもしれない。
本展では、300点におよぶ作品を展示。第一展示室では、自宅近くの行きつけの店・友人宅やラグビー場までの道中・ご実家の近所などで撮影された作品。第二展示室では、上海・重慶など中国旅行中に撮り溜めた作品、地下のブラックキューブではスマートフォンやデジタルカメラで撮影した10秒~2分の短い動画をつないだ映像作品(約30分)を紹介する。作品に潜むストーリーや見ているようで実は見えていない日常での出来事を探しながら、一枚一枚の写真を隅から隅まで楽しんでほしい。