「東京芸術祭 2023」何を観る? 宮城聰、木ノ下歌舞伎、ロロ、太陽劇団、DaBYら参画
今回は、また、舞台芸術の上演・配信・地域を巻き込む催しなどからなる「東京芸術祭プログラム」と、⼈材育成教と教育普及の枠組みである「東京芸術祭ファーム」の2本柱に事業を再編。計19の演目がラインアップされている。
東京芸術祭の総合ディレクターを務める宮城聰が演出を手がけるSPAC-静岡県舞台芸術センター『マハーバーラタ
~ナラ王の冒険~』は、2003年の初演から世界各地で上演を重ねてきた作品。今回は、2014年にアヴィニョン演劇祭の公式プログラムとして招聘された際と同じく、
野外公演という設えで上演される。
「堤防の上の鼓手」(新国立劇場、2001)以来、2度⽬の来⽇公演となるフランスの「太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)」は、新作『金夢島 Lʼ ILE
Dʼ OR Kanemu-Jima』を上演。2021年秋にパリで初演された本作には、⽇本⽂化へのオマージュが込められているという。
⽊ノ下歌舞伎『勧進帳』は、現代における歌舞伎演⽬上演の可能性を発信する「⽊ノ下歌舞伎」の主宰・⽊ノ下裕⼀と演出家・杉原邦⽣がタッグを組んで生まれた作品。義経⼀⾏の関所越えを描いた忠義の物語を⼤胆に再構築しており、国内のみならずフランス・パリ公演でも好評を博してきた。今回は、東京で初の上演となる。
劇団「ロロ」主宰の三浦直之が⼿がける『オムニバス・ストーリーズ・プロジェクト(カタログ版)』は、50名以上の登場⼈物のプロフィールと「彼ら」にまつわる短いエピソードをもとに構成された、ロロ初のオムニバスストーリー。複数の都市をまたぐ多世代の登場⼈物によるこの物語は、各地の⼤学⽣、および公共劇場での市⺠参加作品のために書き下ろした東京芸術祭バージョンの群像劇だという。
「東京芸術祭×愛知県芸術劇場× Dance Base Yokohama パフォーミングアーツ・セレクション 2023 in
Tokyo」は、その名の通りパフォーミングアーツの作品。柿崎⿇莉⼦×栗朱⾳と島地保武×環ROY(ダブルビル)の2ペアが、それぞれ時代の空気を掬い取り⾝体をメディアとして社会へと問いかける新作を上演する。
そのほかにも、親⼦でも楽しめるアートプロジェクト・ワークショップとして「アトカル・マジカル学園 アートサポート児童館」や「アトカル・マジカル学園
かぞくアートクラブ」のほか、舞台に関わるあらゆる資料の収集・デジタルアーカイブ化やそれらの利活⽤のサポートを⾏うEPADがかつて上演された舞台の傑作を集めた「EPAD
Re LIVE THEATER ~時を越える舞台映像の世界~」など、注目プロジェクトが目白押しとなっている。
東京の多彩で奥深い芸術⽂化を通して世界とつながることを⽬指し、幅広いジャンルの公演事業、アートプロジェクト、芸術分野で国際的に活躍する⼈材の育成プログラムを多数実施する「芸術⽂化の未来をつくる芸術祭」に、足を運んでみてはいかがだろうか。