「夜間中学をつぶさないで」 山田洋次監督も署名 大阪市教委に提出
市教委によると、令和6年春に市内在住の不登校の中学生を対象にした不登校特例校を旧日東小学校(浪速区)に開校し、新たな夜間中学を併設する。一方で天王寺、文の里をなくして生徒たちには新たな夜間中学に移ってもらう計画で、実現すれば現在市内に4校ある夜間中学は3校になる。
この日は、近畿の夜間中学でつくる生徒会連合会や天王寺の同窓会の代表者ら約15人が市役所を訪れ、全国各地から集めた存続を求める署名を提出。在校生や卒業生らは、戦争や貧困などのために学校に通えず、読み書きができずにつらい思いを重ねたこと、夜間中学で学ぶ喜びを知り、自信や勇気、希望を持てるようになって人生が変わったこと、交通の便の良い現在地だから足が悪くても通えているが、新しい学校は遠くて通えないことなどを説明。「私たちにはなくてはならない学校。つぶすことは教育難民、教育弱者をつくること。夜間中学を減らすのではなく、新設校とあわせて増やしてほしい」などと訴えた。
市教委は現在、両校の生徒から新設校に通う意思の有無などについて聞き取りを行っており、「統合移転案については決定ではなく、他の案も含めて検討している」としている。