【独占インタビュー】NIGO®による〈KENZO〉デビューコレクションはいかにして作られたか!?
── 「LV²」の話が来たときは最初は断ったと言っていたじゃないですか。パリとかファッションとかの第一線に出てやる気分でなかったと。
NIGO® そうですね。でも、いざ引き受けてみたら結果も良くて、コレクションを2回もできたということで、自分の中で気持ちの変化はあったんでしょうね。そもそもは自分がファッションの本拠地であるパリに行くとは思っていなかったし、全く興味もなかったから。自分はいわゆるストリートといわれることをやってきて、モードの世界とは全然違うという意識があったけど、僕みたいな人が指名されるあたり時代も変わったんでしょうね。まぁ、この流れはヴァージルの存在が大きかったと思いますけど。
そういえば何かの記事で読んだのですが、今の人たちはストリートな格好で育ってきたから、大人になってもその延長にあるものを買いたいと思うのは当然のことだみたいな。それは確かになと思ったんですよ。僕自身、最近のショーはハイプすぎるというか、実際に着たいと思えるものがあまりないということは感じていました。ショーを見て「うわっ、これ超欲しい!」と思って服を買うというのがファッションとしては正しいと思うんですよ。「Real to Wear」というか。
だから、今回のショーは僕としては服本来が持つオリジナルの魅力に戻していったつもりだったんですけど、今やそれが新しく見えたようですね。ショーのための服ってあんまり意味がない気がするので、そこは原点に戻したなっていう。