「蝉丸の神社」修復支援を CF返礼品にヒビノさんの奉納曲
ヒビノさんは528ヘルツの音楽に癒やしの効果があることを専門医とともに提唱し、2015年に発売したアルバムで日本レコード大賞企画賞を受賞した。大津市で生まれ育ち、市内でライブハウスを経営したこともある。
CFへの協力は、若いころからの知人で同市浜大津2の「小川酒店」経営、布施健次さん(61)から依頼された。ヒビノさんは同神社の近くに住んでいたことがあり、「通学の時によく目にし、寂しい場所だったという記憶がある。復興への動きがあると知り、古里のために役立てるならと喜んで曲作りを引き受けた」と話す。
「あわうみのうた」はゆったりとした曲調のピアノ曲。メロディーに和歌の「五七五七七」のリズムを取り入れ、効果音に琵琶湖の水の音を使ったほか、曲の最後に琵琶の音が響く。
また、「ヒビノさんの曲を聴かせたお酒は味がまろやかになる」との話を聞いた布施さんが、滋賀県内の酒蔵の協力を得て「あわうみのうた」を響かせたお神酒「蝉丸」を企画。これも返礼品に加えた。
社伝によると、同神社は弘仁13(822)年創建。歌舞音曲の神として全国の芸能関係者から信仰されているが、近年は境内や社殿の荒廃が進み、地元住民らが修復を計画している。CFは専門サイト「レディーフォー」で11月9日まで。CDとお神酒(本醸造、一升瓶)はそれぞれ3万円の寄付の返礼品となっている。
10月30日には同神社で鎮座1200年記念大祭が執り行われる。同日午後は舞踊、大津祭のお囃子(はやし)、琵琶の演奏などが奉納される。【村元展也】