いい建築は、いい弁当箱!? 名建築のお弁当化プロジェクト。
その発想はなかった! と思わずうなるびっくりプロジェクト「建築弁当」。建築のスケール感を揺さぶる精緻さに驚くのだが、このお弁当、ただ模型に具材を詰めてあるわけではない。建築の設計コンセプトが食べることできちんと再現できるようになっており、作り手のあふれる“建築愛”が感じられるのだ。手がけたのは、建築やデザイン学科出身の4人組ユニット「建築弁当設計室」。彼らに制作への思いを聞いてみた。
「学生時代に建築を学ぶ中で、日本人は日本人の手がけた建築を意外と知らないのだと気づきました。建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を日本人建築家は何名も受賞していますが、一般の人にはあまり知られていないのが現状だと思います。
名建築と言われる建築空間のコンセプトはおもしろいのに、言葉が難しいものも多くてとっつきづらい。それをうまく伝える方法を考えていました。そんな中、コロナ禍で料理をするようになって、弁当箱と建築を掛け合わせたら新しい体験が生まれるんじゃないか、というアイデアが出たんです。そこでまず3つの建築をお弁当にしてみました」
現在「建築弁当」は商品化していないが、ゆくゆくは建築家や日本食の料理人などとコラボして販売したいという。気になる次 “着工” するお弁当は……?
「黒川紀章さんの〈中銀カプセルタワービル〉、伊東豊雄さんの〈せんだいメディアテーク〉や藤本壮介さんの〈サーペンタイン・ギャラリー〉をモデルに考えています。今回は建築のお弁当化をしましたが、建築でありながらも実用的なお弁当箱を目指して制作中です」