『「朝鮮学校の高校無償化排除やめて」日本人有志の抗議運動450回に』へのみんなの感想まとめ
◇「火曜日行動」2012年から訴え
火曜日行動は正午から30分ほど。アコーディオンやタンバリンなどを手にした「火曜日バンド」が参加してメッセージを込めた歌の合唱もあり、抗議と言っても柔らかな雰囲気だ。30~40人の参加者の多くは日本人で、各地の朝鮮学校に子どもを通わせる母親や生徒たちも交代で駆け付け、現状を訴える。
奈良県大和高田市の自営業、森本忠紀さん(77)は8年前からほぼ毎週通い、三線(さんしん)を演奏する。「国や自治体は、無償化排除や補助金停止を続けることで朝鮮学校をつぶそうとしているのではないか。もっと多くの人にこの問題を知ってもらうために行動を続けたい」
3人の子どもを城北朝鮮初級学校(大阪市旭区)と付属幼稚班に通わせる在日3世の李佳奈(リカナ)さん(36)は「私も卒業生。同じルーツを持つ友達とつながりを持ち、朝鮮の言語や歴史を学ぶことは大切」と話す。「子どもたちは放課後、日本の学校に通う近所の友達と仲良く遊んでいる。差別やいじめをなくそうと教える大人たちが、朝鮮学校だけを排除するのはおかしい」
朝鮮学校は終戦後にできた「国語講習所」を原点とし、各地に広がった。近年は「日本人拉致問題」などを理由に国による高校無償化の対象から外され、自治体からも補助金を停止されるなど、厳しい運営を迫られている。大阪府内には初級学校が8校、中高級学校が1校ある。
朝鮮学校の無償化排除を巡っては、学校側が国に対して見直しを求める訴えを全国5地裁・支部で起こしたが、いずれも敗訴が確定。一方、国連の人種差別撤廃委員会や子どもの権利委員会は、「(朝鮮学校も)他の外国人学校と同様に扱われるべきだ」とし、日本政府に繰り返し無償化排除を見直すよう勧告を出している。【鵜塚健】