文具店の「試し書き」をアート作品に。シャルル・ムンカの新作個展
フランス生まれ、現在は新潟・佐渡を拠点に活動するアーティストのシャルル・ムンカ(Charles Munka)。絵画やドローイング、コラージュなど、メディアを横断した独特なスタイルで、抽象表現主義から日本の漫画まで幅広い影響を受けながら、イメージの流用に関わる大衆文化の美学の追求を続けてきた。
本展では、ペンや鉛筆などで書かれた他人の「試し書き」をもとにした作品シリーズを発表する。文具店の試し書き用紙を20 年以上にわたって蒐集し、そこから線や文字、記号、絵などのモチーフをサンプリングしてきたムンカ。その試みの背景には、アーティスト・堀尾貞治による「あたりまえの日常生活と美術活動を共鳴させる姿勢」の影響があるのだという。
本展においては、新作の「Tameshigaki」シリーズから、30点を超える大小の新作ペインティングや大型のインスタレーションが展示される。
なお本展は、マンションの地下駐車場だった場所を利用したクリエイティブスタジオINS Studioのほか、ザ・コンランショップ 代官山店でも開催。作品を入れ替えて、大阪にも巡回が予定されている。
Text : Manami Abe