『郵便受けにある日突然、現金が 住宅街で次々発見 「ありがたいが、気持ち悪い」』への皆さんの反応まとめ
【写真】89年、川崎の竹やぶから謎の札束2億円 ▽「日本一安い商店街」のそばで
旭区には100年以上の歴史を誇る千林商店街がある。地元密着の店が多く、下町情緒が漂う。各店が価格競争にしのぎを削ったため「日本一安い商店街」と呼ばれた時代もあった。関西のテレビ番組では、買い物客の意見を取材するためのロケ地としておなじみ。アニマル柄の服を着た主婦らも行き交う「大阪らしい」スポットだ。
現金が投函されたのは、その商店街のすぐそば。大阪メトロ千林大宮駅前に広がる、旭区大宮3丁目の一部だった。しかも、細い1本の道路を挟んだ両側の地区に集中している。2~3階建ての住宅が並び、昼間でも人通りが少なくのどかな街だが、かつては長屋が立ち並び、活気もある地区だったそうだ。
▽「使ったらいい」と言われても
11月26日午前6時半ごろ、住民の60代男性はいつものように郵便受けから新聞を取ろうとした際、茶封筒を見つけた。中をのぞくと1万円札が1枚。「トラブルに巻き込まれたら嫌やな」と思い、すぐに110番した。男性は「善意なら名乗ってほしい。どんなルートのお金かも分からない。やっぱり匿名というのが気になる」と胸の内を明かした。 現金投函のうわさは地区ですぐに広まった。別の60代の男性は「うちにも来るかも」と思い、ある日郵便受けを見ると、やはり封筒が。4千円が入っていた。近所の人から「使ってもうたらええねん」と勧められたが、男性は「気が引ける。入れた人が取りに帰ってくるかも」と考え、金庫で保管しているという。「お金をもらうのはありがたいけど、よく分からんから使うに使えないし困る」と弱り顔だった。
▽使ったら法的に問題がある?
相次ぐ珍事に、大阪府警旭署幹部は首をかしげた。「寄付なのだとしたら、行政を通して施設にする方が良いのに、なぜ住宅の郵便受けなんだろう…」。署によると、郵便受けに現金があったとの申し出は、10月31日~12月13日に20件ほどあった。いずれも茶封筒入りで、差出人の名前も、投函した趣旨を説明するような手紙もなかった。
署に届けられた現金は拾得物として扱われている。これまでに確認されたのは計約20万円。1万円が最も多いが、5千円や8千円、1万7千円などもあり、金額はばらばらだ。中には2回も現金が入っていた人もいた。前へ12次へ1/2ページ