東京・立川のパブリックアート作品 美評連が市と高島屋に保存要望
「ファーレ立川」は1994年に米軍基地跡地を再開発して誕生したエリア。「ファーレ立川アート」はアートによる地域づくりの先駆け的存在で、「瀬戸内国際芸術祭」で知られる北川フラムさんが関わり、同エリアに36カ国92人による109点の作品を設置したもの。
岡崎さんの作品は米軍基地拡張に反対した砂川闘争の歴史を念頭に置き制作。地下駐輪場の換気口をカラフルなフェンスでおおう形で設置している。
要望書では「ファーレ立川アート」を「日本におけるパブリックアートプロジェクトの代表例」とし、都市計画の基盤に美術作品を位置付けて設置した革新性を高く評価。その中核をなす岡崎さんの作品について「解体や撤去は、ファーレ立川全体の最も重要なコンセプトの核心を損なう」と指摘している。岡崎さんは「長い年月をかけて育ってきた文化が、かくも安易に解体撤去されようとしていることを、残念に思い、ひたすら悲しんでいます」とコメントを寄せた。高島屋広報・IR室は「作品の取り扱いについて関係者と協議を続けたい」としている。【高橋咲子】