写真家スティーブン・マイゼルの1993年にタイムスリップ。スペインで展覧会開催。
《プラダ》や《ロエベ》、《ヴァレンティノ》など、数々の広告キャンペーンを手がけてきたアメリカ出身の写真家スティーブン・マイゼル。今年68歳となった彼の長い長いキャリアの中でも、1993年にスポットを当てた展覧会がスペインのガリシア州ア・コルーニャでスタートする。
そもそも、なぜ1993年なのだろうか。『ヴォーグ』をはじめファッション雑誌を中心に活動していたスティーブン・マイゼルは、前年の1992年にマドンナの写真集『Sex』を刊行。発売初日に15万部が売れるなど世界的に話題になり、彼の代表作となった。その翌年、彼は28冊にも及ぶ『ヴォーグ』の表紙や100以上ものファッションストーリーを撮影を行っている。まさに、人生の中で”最も創造性を爆発させた驚異的な12ヶ月”を過ごしたと言えるだろう。
そんな12ヶ月に注目したのは、展示をサポートする《ザラ》の親会社のインディテックス社会長マルタ・オルテガだ。「彼の写真は、先人の偉大な写真家たちの作品と同様に、目に見えるものだけではなくその内側にある、被写体自身も知り得ぬ真の個性を引き出します」と作品に惚れ込み、スペイン・ガリシア州に世界レベルの文化をもたらすことを目的としたア・コルーニャの長期的な取り組みの一環として実現させた。
本展ではリンダ・エヴァンジェリスタやカーラ・ブルーニ、ナオミ・キャンベルなど、彼の撮影からキャリアをスタートさせたスーパーモデルたちの当時のフォトシュートのほか、ファッションと映画の世界で活躍する男女100名以上のポートレートも紹介する。世界的な写真家の貴重な12ヶ月にタイムスリップするような展覧会は、来年5月まで。ぜひ足を運びたい。
〈Muelle de la Bateria〉Muelle de la Bateria, S/N, 15001 A Coruna 2022年11月19日~2023年5月1日。月曜~水曜 10時~21時、木曜 10時~20時、金曜 10時~22時、土曜・日曜 11時~21時。