トルコの“伸び~る”アイスクリームの「秘密」
トルコでアイスクリームに初めて触れている文献は 11 世紀のカラ・ハン朝の学者 Kasgarli Mahmud によって書かれた Divan- Lugati'tTurk にあります。その時代からシャーベット (果物のシロップ) や果物は雪や氷の上で冷やして提供されていたようです。その後セルジューク朝を経てオスマン帝国の時代となる 1700 年代には宮廷で「アイスクリーム」が食されており、宮廷から一般の人々にも広まっていきました。
もちろんこの時代のアイスクリームは今のようなアイスクリームとはだいぶ異なっていました。果物のシロップを雪と混ぜ合わせるようなものだったようです。今でいう「かき氷」的な感覚でしょうか。オスマン時代に宮殿で好んで食されたのは、「Karsambac (カルサムバチ)」と呼ばれるもので、雪を集めて保管し、夏の暑い時期にハチミツや果物のシロップなどと混ぜ合わせて食されました。
さて、オスマン帝国時代には、いろいろな種類のアイスクリームが開発 (?) されました。 1764 年にオスマン帝国で書かれた料理本は「ミルクアイスクリーム」と「雪水入りアイスクリーム」のレシピに言及しているそうです。
現在のトルコアイスの基礎となる「マラシュ・アイスクリーム」もオスマン時代に開発されました。なおトルコではアイスクリームのことを「ドンドルマ」といいます。この記事でもマラシュ・アイスクリームのことを「マラシュ・ドンドルマ」と呼びたいと思います。