山形・熊野大社拝殿、次の100年へ 茅葺屋根修繕、資金募る
熊野大社は、現存する文献などによる最古の記載で「806年に再興」とあり、熊野三山(和歌山県)、熊野神社・皇大神社(群馬、長野県境)と並ぶ「日本三大熊野」にも位置付けられる。
現在の拝殿は数回の焼失などを経て1787年に再建。仏間を供えて修験道場としての性格も残り、神仏習合時代の信仰形態をうかがえる独自の形式として2007年に県指定文化財に指定された。
神社によると、拝殿の茅葺屋根は06年に全面ふき替えをした。その後の風雪被害などで一部の破損が目立ち始め、拝殿や安置する仏像などに影響が及ぶ懸念が生じたため、修繕工事を決めたという。
今回は、茅材が傷んだり、抜け落ちて薄くなったりした部分を補充する「差し茅(がや)」と呼ばれる部分修繕。昨年秋から同県寒河江市にある慈恩寺本堂の屋根全面ふき替えを請け負う、宮城県内の工務店による工事見積もりを参考に、クラウドファンディングの目標額が設定された。
ウェブサイトの支援申請先URLはこちら。5000円から50万円まで13コースが設定され、「記念品・体験付きコース」では返礼に限定御朱印や、巫女(みこ)体験などを選ぶこともできる。
応募金が目標金額を下回った場合は不成立になるため、神社では「東北の熊野信仰を伝える拝殿を次の100年に受け継ぐため、多くの温かいご支援を期待したい」としている。