世界遺産で国史跡の石垣、村が無許可修復 奈良・下北山「大峯奥駈道」
村によると、修復したのは大峯奥駈道から約10メートル離れた「前鬼(ぜんき)集落跡」にある石垣(高さ約1・8メートル、幅約5メートル)。村は22年夏に石垣が崩れているのを確認し、同12月に専門家を招いて修復の講習会を開いたうえで、受講した地域住民ら約10人で崩れた部分の一部を積み直した。
残った崩落部分の修復について、村が県に支援策を問い合わせたところ、国史跡に含まれるとの指摘を受けたという。文化財保護法は、国史跡の現状変更は市町村が都道府県と協議し、文化庁長官の許可を得るよう定めている。村は「景観を良くしようと修復したが、認識が甘かった」としている。【高田房二郎】