受験リポート キャンパスライフは立地も肝心 都心回帰する大学も
加えて、相次ぐ都市部への大学のキャンパス移転にも注目したい。真新しく利便性に富んだキャンパスでの学びは学生にとって魅力的だが、十分に調べておかなければ在学中に思いも寄らない通学を迫られる可能性もあるので要注意だ。
例えば中央大学法学部は4月に都心へ移転。東京駅から約1時間かかっていた東京都八王子市から地下鉄で約10分の好アクセスに。首都圏以外でも、広島大学法学部が東広島市から広島市中心部へ移転。立命館大学は6年度にびわこ・くさつキャンパス(滋賀)の情報理工学部、衣笠キャンパス(京都)の映像学部を大阪いばらきキャンパスへ移す計画を進めるなど多くの大学で移転計画が進む。
そもそもかつて大学キャンパスが郊外に多かった理由は昭和34年に首都圏で、39年に近畿圏で制定された「工場等制限法」にある。人口集中を防ぐため、都市部で1500平方メートル以上の床面積を持つ大学新設が禁じられ、多くの学生を有する大規模キャンパスは郊外に開設せざるを得なかった時代があった。
ただ、その後少子化や建物の老朽化など大学を取り巻く環境は激変。平成14年に工場等制限法の制限条項が撤廃されたことも追い風となり、少子化で学生確保に追われる大学が続々と都心回帰し始めているのだ。
実際、17年に埼玉県の朝霞キャンパスから文系5学部を都心の白山キャンパスへ移した東洋大学は、志願者数が前年度比9%増となるなど、成功した事例も数多く、大学の都心回帰は今後も続く見込み。大学のホームページなどをしっかりと確認してほしい。