おいしい焼き菓子に出会える今行くべき最新カフェ10軒。
コースのみのガストロノミー〈Ode〉が、それとは対極をなすカジュアルなコーヒースタンドを作った。飲み飽きない味を目指してブレンドしたコーヒーに合わせるのは、余韻を長く感じられる焼き菓子たち。
たとえばカリッと焼き上げたフィナンシェは、噛むとほろっとバターを感じさせる柔らかな仕上がり。「キラーマーム」と名づけたソフトクッキーは、ビターチョコチャンクと白いんげんペースト入りの生地が口の中でドリンクと心地よく混ざり合う。
レストランで出る野菜くずを粉状にした “サステナブルパウダー” 入りのカヌレは、バニラで香りづけした一般的なレシピとはひと味違うフレーバーだ。コーヒーと交互に口に含んで、じっくりと楽しみたい。
カウンターに山と積まれたマフィンやパウンドケーキの数々。ここは、池尻大橋のバー〈LOBBY〉の “甥っ子” として生まれたカフェバーだ。
カフェタイムを任される黄川惠未さんは〈ストリーマーコーヒーカンパニー〉やアパレルショップ勤務を経て「自分が作ったものでみんなの人生を豊かにしたい」という思いのもと、趣味だったお菓子作りの道へ。
“田舎のおばあちゃんが作るような” 大ぶりの焼き菓子は、日々の気取らないおやつにぴったり。ブラウニーにはラムレーズンを混ぜ込み、ブルーベリーマフィンにはクリームチーズでアクセントをつけ、親近感の中にもひと工夫。提供するコーヒーはクリーンな味わいの〈Overview Coffee〉だ。
緑の深い駒場野公園から少し歩くと、小さくて気持ちのいいカフェが現れる。真っ白な空間には、アアルトのスツールやアンティークの品がさりげなく置かれている。
ここでいただけるのは、卵やバターを使わない、素朴でシンプルな焼き菓子。スイーツのテイクアウトで訪れる人も多いという。人気の自家製バナナブレッドにはよく熟したオーガニックバナナを使い、豆乳や菜種油でコクを出している。すっきりとした後味には、ピュアなミルクアイスがぴったりだ。
今後は季節のメニューを充実させる予定だそう。中浅煎りのオリジナルブレンドコーヒーは、名古屋〈IMOM COFFEE ROASTERS〉から。こちらもサラリと飲みやすく、軽やかな気分になれる。