『城氏が中国戦での課題を指摘「2-0で終わっていい試合ではない。攻撃の連動性と精度に問題点。長友の先発はもう厳しい」』へのユーザーの意見まとめ
昨年12月に監督が交代した中国は「攻撃的に仕掛けてくる」と予想され、実際、昨年9月のアウェー戦時とは違い4バックのフォーメーションを組んできた。キックオフ直後こそ激しくプレッシャーをかけてきたが、結局、守備的なサッカーに徹したため日本のハーフコートゲームの様相になった。引いて守る相手を崩すのは簡単ではない。打開するために求められるのは「連動と精度」だった。だが、前半の日本は、そこに欠けた。
前半13分の絶好の時間帯に大迫がPKを決めて1点をリードしたが、その後、再三にわたって追加点機を逃した。前半のシュート数は「8-0」だったにもかかわらず決定力を欠き“空砲”が続いた。
長友、酒井の両サイドバックの動きもよくなかった。特にクロスの精度が悪い。
「4-3-3」の2列目を形成した田中―守田のコンビで言えば、田中も物足りなかった。中国の守りを崩すために、もっと前に絡むべきだったが、積極性に欠け、パスコントロールもよくなかった。遠藤は縦パスを供給したが、そこから展開するケースが少なかった。3人目の動き出しがないので縦パスが生きてこないのだ。
攻撃バランスも偏ってしまっていた。右サイドからは、伊東が相手ディフェンスを何度も切り裂いてチャンスを演出したが、左サイドの攻撃が機能していなかった。長友が高い位置を取れず、南野も左サイドに張らず“中”でプレーしようとするので左で展開を作ることができなかったのである。得点機を増やすための“攻撃の幅”を創生できなかった。
なぜ連動性がなかったのか。世代間でもっと激しく主張すべき 前半38分に田中が中央へ斜めのボールを入れ、ゴール前につめていた守田がヒールでワンタッチ。ペナルティエリア内に走り込んでいた南野が、それを受けて切り返して右足を振り抜いた。惜しくも相手ディフェンダーの体に当たってゴールにはならなかったが、ペナルティエリアの奥には大迫もいた。全員が流れるようにして連動した象徴的なシーンだったが、この試合で、連動性があったのは、この場面くらい。大迫が、ポストの役割を果たす場面も目立ったが、ボールが収まった瞬間の周囲の動きだしがワンテンポ遅いのだ。
選手個々に攻撃の意識はあるのだろうが、タイミングを含めお互いの意思疎通が取れていない。イメージを共有できていないのだ。世代間のギャップもあるのだろう。
練習を見ていても激しく意見をぶつけあう姿が見受けられない。
「こういうタイミングでパスが欲しい」「ここで走ってくれ!」と個々がもっと強く主張していい。例えば後半28分に投入された久保はタイミングもリズムも一味違う選手。なおさら周囲に意図が伝わらず、やりたいサッカーができていないジレンマがあると思う。もっと激しく要求するべきだし、お互いにガンガンと本音でやりあって互いの考えを理解していかないと連動性は生まれない。私も代表時代にアトランタ組とドーハ組の世代間ギャップに苦労したことがあるが、ハレーションを考えず、互いに忌憚のない意見を出し合っていた。チームを劇的に変えるには、世代交代の競争をチームの内部で高めることが必要になる。
またベンチが交代カードをもっと戦略的に切ってもよかった。後半13分に大迫→前田、長友→中山の2枚代えをして、その中山が、直後の16分に精度の高いピンポイントのクロスを左サイドから供給し走り込んできた伊東がヘッドで合わせて貴重な2点目を奪った。
森保采配が的中したとも言えるが、もっと大胆に交代カードを使うべきではなかったか。連携を高め、リズムや膠着していた流れを変えるために、久保、堂安を一気に投入する手があってもよかったし、大迫―久保―堂安の3人が共存する時間を作っても面白かったと思う。人の組み合わせを変えることが、連動性を高める手段のひとつ。特に五輪代表で活躍した久保と堂安の息のあったパスワークをA代表に還元することを考えてもいいだろう。前へ12次へ1/2ページ