エース級の建築が勢揃い! W杯はスタジアムにも注目。
4年に一度のサッカーの祭典『FIFAワールドカップ』。22回目となるカタール大会が、11月20日より開催となる。
日本代表の戦いも気になるところだが、もう1つ注目したいのが、熱戦の舞台となるスタジアムだ。首都ドーハを中心に、8つの競技場で繰り広げられる今大会。世界的建築家らが手がけた、注目のスタジアム建築を見てみよう。
幾層にも重なるプリーツが作り出す流線形が印象的な〈アル・ジャヌーブ・スタジアム〉を設計したのは、ザハ・ハディド。幻に消えた『東京2020オリンピック』のスタジアム案も彷彿とさせるデザインは、同地域の伝統的な帆船である「ダウ船」がモチーフだ。
ノーマン・フォスター率いるフォスター+パートナーズによる〈ルサイル・スタジアム〉は、決勝戦でも使用される会場。「Fanar」と呼ばれるランタンの生み出す光と影がデザインのモチーフで、外観に採用されたボウル形は、アラブおよびイスラム世界の職人技の黄金期に見られる意匠だ。
地域の歴史や文化の色が強く出たデザインは、他のスタジアムにも。〈アル・トゥマーマ・スタジアム〉は中東の男性が着用する帽子「ガフィヤ」をイメージ。同じく〈アル・ベイト・スタジアム〉はアラブ地域の伝統的なテント「bayt al sha'ar」を参照している。
全スタジアムが、持続可能性に配慮して作られている点にも注目したい。湾岸に建つ〈スタジアム974〉の建築資材は、なんと輸送用コンテナ。W杯史上初となる、完全解体可能なスタジアムだ。
サッカーチームのように、個性豊かな8つのスタジアムが揃ったカタールW杯。キックオフとともに建築にも熱視線を送ってみたい。