新テーマは「ロボット」「地球環境」「老い」。日本科学未来館が常設展示を7年ぶりに大リニューアル
今回発表された新展示は、同館が2021年4月に掲げたMiraikanビジョン2030「あなたとともに『未来』をつくるプラットフォーム」の実現に向けたもの。先端科学技術がもたらす社会の未来像や課題を一人ひとりが「自分のこと」としてとらえ、課題発見やアイデアの探究、意見共有を通して未来を考えていくことなどを目指すという。
「ロボット」の展示では、いまよりもロボットが暮らしに溶け込んだ未来の街が舞台となる。タブレット型のデバイスを使った展示空間の探索や、現在進行している研究の紹介、ロボットとのふれあいなどから、それらの技術との向きあい方を考えさせられるものだ。
現在も大きな課題である「地球環境」の展示では、気候変動の影響を受けている地域の現状を大型映像で体験するほか、社会や経済の仕組みが気候変動や生物多様性の損失、環境汚染とどうつながっているのかといった全体像を提示。様々な体験を通して一人ひとりにおける環境問題の解決への関わり方をとらえ直すことを目的としている。環境に配慮して制作される展示空間も見どころのひとつだ。
今回とくに印象的な「老い」の展示では、加齢により誰にでも起こる身体の変化を疑似体験することで、自身の老いとの付きあい方を探るというものだ。科学技術の発展と老いのとらえ方の変化にも注目したい。
なおリニューアルに伴い、現在公開中の一部の常設展示は終了となる。「ともに進める医療」「アナグラのうた
―消えた博士と残された装置」「ビジョナリーラボ」は8月31日まで、「アンドロイド―人間って、なんだ?」は11月上旬までの公開となるため、足を運ぶ際は留意しておきたい。