車いすの居酒屋料理人、漫画のモデルに 苦境に負けぬ姿描く
金子さんは料理人として働いていた2015年、自転車の事故で下半身不随になった。家族を養い、障害者が自立できることを示したいと、クラウドファンディングで資金を集め、18年に柏市西原2で和食居酒屋「わっ嘉(か)」を開いた。漫画のタイトルはこの店名から取られている。
県内在住のシナリオライター、青木健生さん(47)が企画・原作を手がけ、漫画家のたむら純子さんが絵を担当した。漫画の主人公は女性だが、青木さんは「女性誌のため(金子さんには)女性になってもらったが、苦境に負けずに包丁を持って店を始めた金子さんの前向きさと誠実さはそのまま描けている」と話す。
金子さんは「女の子になったのはびっくりしたが、漫画を読んでもらって、障害者には社会で何かをやって自分の場所を作りたいと思ってほしい。一般の方には障害者でも普通にコミュニケーションを取れるのだと知ってもらいたい」と話す。
長引く新型コロナウイルス感染症の影響で経営は楽ではないが、ぎりぎりまで店を続けるつもりだという。9月には健常者と障害者、高齢者、外国人、性的少数者など誰でも飲み語らえる店内イベントを計画している。