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「たぶん僕は家具のセンスはない」。ヤコブセンの名作ドットスツールを藤原ヒロシが選んだ理由。
2022-05-31
「たぶん僕は家具のセンスはない」。ヤコブセンの名作ドットスツールを藤原ヒロシが選んだ理由。

ファッション、音楽、キャラクター、車、時計、フード……。数々のコラボレーションを手掛けてきた藤原ヒロシが次に手がける“もの”は何? 答えは、“家具”でした。

デンマークを代表する家具メーカー〈フリッツ・ハンセン〉が創業150周年を記念して、藤原ヒロシ主宰の〈フラグメント〉とのコラボレーションを発表。〈フラグメント〉としては初となる家具ブランドとのコラボレーションとなる。モチーフとなったのは、アルネ・ヤコブセンの名作《ドットスツール》だ。「たぶん僕は家具に対するセンスがないんですよね」と言う藤原ヒロシに、家具へのこだわりやコラボレーションの背景について聞いた。
「僕は家具にはこだわってきていないので、家具ブランドについてもあまり詳しくありません。ソファを買い替えた時に、チッテリオ(アントニオ・チッテリオ)を知ったくらい。よく聞くイームズにも、プルーヴェにもはまってきていないです」

とのっけから意外な答えが。〈SOPH.〉の清永浩文やサカナクションの山口一郎など、周囲にピエール・ジャンヌレのコレクターも多いが、ヴィンテージ家具もひとつも所有していないという。

「そもそも、古いものを所有したいと思わないです。車もヴィンテージカーに興味ないし、家具もヴィンテージ家具に興味ないんです。セディショナリーズの服は所有していますが、それはヴィンテージではなくノスタルジー。昔買えなかったものを今手に入れているという感覚です。機能しているものはいいかなと思うのですが、ヴィンテージ家具ってパラドックスじゃないですか? 『これいいね』って座ろうとすると『座らないで!』と(笑)。座れるにしても気をつけながら座る、”座れない椅子”になってしまっている。同じ金額を払うなら、同じ金額の実用面でいい椅子がほしいです。昔からあるものを作り続けている。そういう方が好きですね」\u2028\u2028
そんな藤原がモチーフに選んだアルネ・ヤコブセンの《ドットスツール》は、《アリンコチェア》を披露した翌年1954年に発表。当初は3本脚だったが70年代は4本脚が登場し、一時廃盤になったものの、 2009年に復刻された時代を超えて作り続けられている定番であり名作だ。

\u2028\u2028「話をもらったのは4年ほど前。僕にできることがあればと答えて、〈フリッツ・ハンセン〉で色々な椅子を見せてもらい、これだったら何かできそうだなと。昔から食堂に置いてある丸椅子が好きで、ギターを弾くのにぴったりだなと思いました」\u2028\u2028

初めて家具のデザインを行なってみて\u2028\u2028「これまでと同じだけれど、ファッションに比べてやれる範囲は少ないかな。%完成されたものへの味付けだけだから」\u2028\u2028と振り返るように、それ自体を大きく変えるのではなく、両者のロゴを使ってアップデートすることを提案。素材に上質なヌバックレザー張りのシートを使用し、レーザーエッチングで両者のロゴとサンダーマークを座面の縁に沿うようにあしらった。脚には両者のロゴに加えて”THE Classic”というワードをマーキングすることでニュースタンダードにアップデート。座面の裏にはシリアル番号入りの記念プレートが付いているという。
\u2028\u2028「5脚でも6脚でも重ねてオフィスや自宅に置いておけるし、ジャンヌレで椅子取りゲームはできないけれど、この椅子なら椅子取りゲームができるでしょう? 椅子取りゲームできない椅子は椅子じゃないですね。そう言うと『ヴィンテージ家具の良さがわからないのか?』とカーサ ブルータスの読者に怒られそうだけど(笑)」\u2028\u2028

笑いを交えながら完成した椅子を眺め、\u2028\u2028「他のカラーもできそうですよね」\u2028\u2028と最後にぽつり。ブラックとブラウンのシックな2色に新色が加わる日もそう遠くはないかも? そして、9月1日の発売日にもしも〈フラグメント〉主催の”椅子取りゲーム”が開催されるのならば、ぜひエントリーしてみたい。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/68ecd7b2ccecb99f91e26c9b6128d0b9e965091b

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