富山湾に沈んだ江戸の港町#2 地元名家が保存「青磁の皿」 専門家が鑑定…古文書に“海中の井戸から皿"
地元の漁師からは、「昔は海の中をのぞくと、かつての井戸が見えた」との証言も。取材を続けていくと、幻の「青磁」を持つ男性にたどり着くことができた。
潜水取材を始めると、堆積した砂の中から江戸時代ごろのものと見られる石垣が見つかり、かつて集落があったことが浮かび上がる。
さらに取材を進めると、研究者も初めて見るという貴重な「お宝」の情報が寄せられた。
富山市の四方(よかた)地区は江戸時代、北前船の拠点として栄華をきわめた港町だったが、海岸浸食で街の一部が海中に沈んだ。取材班が注目したのは、地域の歴史を記録した「越中婦負郡志」のこんな記述だ。
「海の井戸の中から、青磁の小皿が見つかり、村人が保管している」
海から見つかった青磁とは、どんなものなのか?
情報を求め取材を続けていると、ついに、それを所有している男性にたどり着いた。
大場義彦さん:
この家は私で11代目ですけどね。皿は、明治に井戸から出てきたと聞いているんです
大場家は明治時代は村長を務めた名家で、皿は住民が見つけて届けたのだという。
代々、大切に皿を受け継いできた。大場さんによると、うわさを聞きつけ、見せてほしいとやって来る人はたくさんいたが、すべて断ってきた。
しかし、取材班が地元の歴史を取材していると聞き、特別に見せてくれる事を承諾してくれた。
木箱には青磁の文字。歴史書に書かれていた「青磁の小皿」がこれなのか?
吉村尚郎アナウンサー:
では、見せていただいてもいいですか
木箱をあけ、袱紗(ふくさ)を広げる大場さん。姿を現したのは、やや茶色と緑色がかかった丸い皿だった。どっしりした厚みがあり、大きく欠けた所もない。きれいに原型を保っているようだ。
寸法を測ると、直径25センチ。「小皿」と呼ぶには少し大きいのかもしれない。それに、青磁で思い起こす青緑色ではない。