「沖縄画」とは何か? 8作家による展覧会で提示されるもの
沖縄画とは、本展において初めて提示されるもの。これまで「沖縄の美術」や「琉球絵画」といった表現は使用されてきたが、沖縄画は多様な表現方法や、多様なアイデンティティをも含む「現在の沖縄」を、新進気鋭のアーティストたちの作品群によって提示しつつ、沖縄という場の将来像を提案するものだという。
展覧会のディレクターを務めるのは、沖縄県立芸術大学准教授で美術批評家の土屋誠一。参加作家は泉川のはな(1991年沖縄生まれ、同地在住)、平良優季(1989年沖縄生まれ、同地在住)、髙橋相馬(1992年岐阜県生まれ、沖縄在住)、陳佑而(1986年台湾台北生まれ、沖縄在住)、寺田健人(1991年沖縄生まれ、東京在住)、西永怜央菜(1995年沖縄生まれ、同地在住)、仁添まりな(1993年東京生まれ、沖縄県在住)、湯浅要(1994年京都生まれ、沖縄在住)の8名だ。いずれの作家も、本展実行委員会メンバーの持続的なフィールドワークに根差して選出されており、新作・近作を含む作品を展示する。
また展覧会終了後には、展覧会にかかわるドキュメンテーションを含めたカタログを刊行(アートダイバーより10月末刊行予定)。本展にかかわるコンセプトブック的な役割を担うものとなるという。また、2023年の「那覇展」に続き、2024年後半にはイギリスで「ノリッチ展」の開催も決定しており、沖縄および日本国内にとどまらず、現代沖縄の美術のカッティングエッジを国際的に提示することを狙う。
なお会期初日には、三瀬夏之介(画家、東北芸術工科大学教授)、大城さゆり(沖縄県立博物館・美術館学芸員)、富澤ケイ愛理子(美術史家、イースト・アングリア大学専任講師)を招いたトークイベント「『沖縄画』展をめぐって」も開催予定だ。