江戸時代にダリアやウチワサボテンは日本に入っていた…武雄鍋島家の「植物図絵」に掲載
約400図の内訳は、97図が実物で、307図がカラー複写。実物と複写で重複もある。身近な草花では、シロバナタンポポやダイコン、ソラマメ、シャクヤク、トウモロコシなどがあり、実物に近い形で描かれている。また、展示された絵のうち、ウチワサボテン、ダリアは、江戸時代に海外から国内に入ってきたとされている。
同資料館によると、この植物図絵は、誰が何の目的で描いたのかが分かっていないという。ただ、佐賀藩武雄領の領主だった鍋島茂義(1800~62年)が植物の研究を熱心に行い、領内で多く育てていたため、そこで写生されたのではないかと考えられている。絵が堪能だった茂義自身が描いた可能性もある。
「植物図絵」は武雄鍋島家の子孫が1969年に市に寄贈。もともとは冊子だったが、傷みがあったため、平成に入って一枚ずつ分離して修復した。今回はそれを一枚ずつ大量に展示している。
企画した近藤貴子学芸員は「たくさんの植物の絵が武雄に残っていたことと、江戸時代に海外の植物が入っていたことを知ってもらいたい」と話している。
21日まで。観覧無料。14日午後2時から、近藤学芸員によるギャラリートークが予定されている。
問い合わせは、同館(0954・28・9105)へ。