「ぐりとぐら」手がけた編集者・松居直さん 金沢で足跡紹介の企画展
松居さんは、金沢市発祥の福音館書店に入り、編集長として月刊絵本「こどものとも」を創刊。当時無名だった、いわさきちひろや安野光雅らの才能を発掘したり、佐藤忠良ら著名な画家や作家らによる絵本を制作したり、画期的な手法で新風をもたらした。「ぐりとぐら」や「だるまちゃんとてんぐちゃん」など、編集者として手がけた作品は今も多くの人に読み継がれている。
小松市では、2006年に講演会で訪れたのをきっかけに松居さんとの交流がスタート。絵本文化の継承や発展に取り組もうと、12年に発足した「松居直コレクションプロジェクト」が、寄贈を受けた約1万1000点の絵本や関連資料などの保存公開したり、絵本の魅力を発信する企画を行ったりしている。
プロジェクト10周年を記念した今回の企画展では、絵本編集者としての松居さんの足跡をたどる展示のほか、「こどものとも」の初版本や作家の手紙、サイン本など貴重な資料などを紹介。11月23日には「こどものとも」編集長の関根里江氏の講演会(無料、要申し込み)もある。企画展は入場無料。問い合わせは同プロジェクト(0761・23・0033)。【阿部弘賢】