延暦寺の麓に中世の集落跡 湖上交通の拠点、繁栄示す 2022-09-01 天台宗総本山の比叡山延暦寺(大津市)の麓にある比叡辻遺跡で13~15世紀の集落跡が見つかり、市文化財保護課が1日発表した。集落跡は推定されていたが、発掘で確認されたのは初めて。香道や茶の湯の道具も出土し、文化的水準が高い人物が居住し、繁栄したことがうかがえるという。 同課によると、遺跡付近は湖上交通による流通の拠点として発展した。平安時代後期からは物資を馬や荷車で京都などへ運搬する「馬借」「車借」が集住。室町時代の史料には、高利貸を示す「土倉」や問屋である「問丸」の記述があり、延暦寺や麓の日吉大社(大津市)の門前町としてにぎわった。