木更津高の校歌作詞、土井晩翠の直筆色紙発見 戦後改訂の痕跡残る
木更津高校の校歌は1917(大正6)年に晩翠が作詞し、19年に作曲家の弘田龍太郎(1892~1952年)が曲を付けた旧制木更津中学校の校歌を起源としている。
晩翠は第二次世界大戦後、高校側の要請に基づき、歌詞を数回にわたって改訂している。学制の変更に伴って中学校を高校に直した他、「東亜」「健児」といった戦前や戦中の言葉を改めたり、「平和」など民主、平和国家にふさわしい言葉を入れたりした。
直筆の色紙は、木更津工業高等専門学校の教授を務める上原正啓さん(63)が2020年10月ごろ、インターネットの古本屋のサイトで見つけ、購入した。裏には、昭和22年2月22日に訂正したことが書かれており、現在の木更津高校の校歌と比較したところ、似ていることが分かった。
上原さんは「自分が持っているよりも高校に飾ってほしい」と考え、今年4月に同窓会に提供。同窓会は学校に寄贈することにした。
7日の寄贈式では、同窓会の山口稔会長が、額装された色紙を卯月睦彦校長に手渡した。卯月校長は「改めて出会いや人の縁を実感した。関係者の心遣いに感謝したい」と話した。色紙は校長室に飾られるという。