「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2023」が4月15日より開催
今年は「BORDER」をテーマに14プログラムを開催するほか、初の試みとしてミュージックフェスティバル「KYOTOPHONIE」も行う。
あらゆる生命体が持っている様々な「BORDER=境界線」は個々の存在の形成にとって重要な役割を有しているが、そのほとんどは不可視なもの。「KYOTOGRAPHIE 2023」では、そのBORDERを可視化するようなアーティストたちを招聘するという。
京都文化博物館 別館では、キューバ出身のマベル・ポブレットの個展を開催。カストロ政権下のキューバで育った若い世代のアイデンティティや世界とのつながりといった、作家自身の経験に基づいた作品が並ぶ。
二条城 二の丸御殿 台所・御清では、高木由利子の展示。世界各国の民族衣装を日常的に着ている人々を記録するプロジェクトと、ファッションブランドDIORとコラボレーションした最新作を含む、現代のファッションを撮影したシリーズがパラレルに展示される。
藤井大丸ブラックストレージでは、ウクライナ出身のボリス・ミハイロフ。ソビエト連邦の崩壊に伴うウクライナの激変とその悲惨な結末を記録として残した彼は、複数枚のスライドを重ね合わせて美と醜を併せ持つ曖昧で詩的な「二重」の世界を生み出す「Yesterday's Sandwich」をスライドショーで展示する。
ほかに、山田学(HOSOO GALLERY)、ココ・カピタン(ASPHODEL)、ジョアナ・シュマリ(両足院、出町桝形商店街、DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space)、山内悠(誉田屋源兵衛 黒蔵)、セザール・デズフリ(Sfera)、松村和彦(八竹庵(旧川崎家住宅)2F)、ロジャー・エーベルハルト(嶋臺(しまだい)ギャラリー)、パオロ・ウッズ&アルノー・ロベール(くろちく万蔵ビル 2F)、デニス・モリス(世界倉庫)、石内都と頭山ゆう紀の二人展(誉田屋源兵衛 竹院の間)、また「世界報道写真展 レジリエンス ─ 変化を呼び覚ます女性たちの物語」(京都芸術センター)もメインプログラムに参加している。
今年からの新たな試みとして注目なのが「KYOTOPHONIE」。KYOTOGRAPHIEの姉妹イベントとして自然派生した国際的なミュージックフェスティバルとのことで、「調和」「多様性」「交流」「探求」のキーワードを核とし、多彩なミュージシャン・パフォーマーらによるライブを今回のKYOTOGRAPHIEと同じ春会期と、10月7日~9日の秋会期に分けて開催する。
ルーカス・サンタナ、山川冬樹(CLUB METRO)、SALIF KEITA(TRIO)(東福寺塔頭 光明院)、細尾真孝と近藤忠に現代アーティストの八木良太を迎えたEUTRO(HOSOO HALL)らが京都各所のミュージックスペースや寺社などで公演を行う。
これまで扱ってきた写真や映像だけでなく、音楽やパフォーマンスという新しい領域にも足を踏み出すKYOTOGRAPHIE。多彩な楽しさを春の京都で体験したい。