東北三大祭り 観客分散、観覧席削減…感染対策に腐心
三大祭りの先陣を切る青森ねぶた祭(青森市、8月2~7日)は一昨年と昨年が中止となり、3年ぶりに実施される。コロナ対策で観客の帰宅時間を分散させるため、ねぶたの運行を22年ぶりに出発地点から順番に進行する「吹き流し方式」とすることを決めた。
例年歩道に設ける観覧席を車道に移し、歩道での観客の密集も回避。ねぶたの周囲で踊る「ハネト」を事前登録制とし、原則マスクを着用してもらう。緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が発令された場合は、対応を協議する。
同じく3年ぶりに開催する秋田竿燈まつり(秋田市、3~6日)は、観覧席をコロナ禍前から約2割減らす。例年は演技終了後、観客が竿燈を触ったり、演者と記念撮影したりする機会を設けていたが、今年は中止する。
最終的な開催決定は、秋田県の感染警戒レベルを参考に判断するが、市竿燈まつり実行委員会事務局の吉田忍事務局長(55)は「観覧者にも、市民にとっても安心安全に祭りを開催したい」としている。
仙台七夕まつり(仙台市、6~8日)は昨年に続いて2年連続で行われるが、昨年は大型飾りが79本にとどまったのに対し、今年は223本に増え、コロナ禍前の約7割まで戻る。
昨年同様、感染対策として、大型飾りの下端から地面までの距離を2メートル以上空ける。宮城県に重点措置が発令された際は県外からの来場自粛を呼びかけ、緊急事態宣言の発令時には中止するという。
縮小開催だった昨年の来場者数は約134万人で、令和元年から約91万人減った。宮城県でも感染者が急拡大しているが、事務局の担当者は「できる限りの感染対策は全部やっている。来場者にも感染予防に取り組んでもらい、予定どおり開催するつもりだ」と強調した。
三大祭りに次ぐ「山形花笠まつり」(山形市、5~7日)は一昨年が中止、昨年は野球場で行ったため、中心市街地での開催は3年ぶり。踊り手へのマスク着用は義務づけないが、「ヤッショ、マカショ」などの掛け声は禁止に。緊急事態宣言や重点措置の発令、国や山形県から中止要請があった場合は取りやめる。
山形県花笠協議会の担当者は「祭りは地域の活性化に欠かせない。規模は小さくなるが、来年につながるよう安全に開催したい」と話している。(深津響)