西郷隆盛、勝海舟は「英雄の風格持つ人」で「ひどくほれ申し候」…大久保利通に手紙
勝の生誕から200年を迎えたことを記念して企画。「両雄の出会いへの布石」「江戸城無血開城」「海舟の西郷への想い」と題した三つのコーナーに分けて、2人のほか、同時代に活躍した人物ゆかりの史料を展示している。
2人が初めて顔を合わせたのは、第1次長州征伐直前の1864年(元治元年)9月の大阪だった。勝の印象について、西郷が大久保利通に送った手紙の一節が紹介されており、「実に驚き入る人物でどれだけ知略があるかわからない。英雄の風格を持つ人」と称して、「ひどくほれ申し候」と伝えている。
77年(明治10年)の西南戦争後、勝は朝敵とされた西郷の名誉回復に奔走した。79年(同12年)には、その死を悼み、西郷が沖永良部島へ流された際に詠んだ七言律詩「獄中有感」を彫った石碑を私費で東京に建てた。会場には、石碑の拓本が展示されているほか、在りし日の西郷をしのんで勝が書いた漢詩なども並ぶ。
また、戊辰戦争時の江戸城無血開城における西郷と勝の協議の前に幕臣・山岡鉄舟が奔走したエピソード、勝から見た島津斉彬や思想家・佐久間象山らの人物評を、彼らが手がけた書や絵画と共に紹介している。
同館の糸野陽子学芸員は「人としての本質が似通っていたからこそ、互いにひかれ合っていたのだと思う。勝海舟を通して、誰からも慕われた南洲翁の魅力を再認識してほしい」と話した。
8月31日までの午前9時~午後5時。入館料は一般200円、小中学生100円で休館日は月曜。問い合わせは西郷南洲顕彰館(099・247・1100)へ。