柚木沙弥郎の作品が “かぶせ裏”に。大人も子どもも嬉しいランドセル〈+CEL〉。
近年、赤と黒だけではなく、色とりどりのランドセルを目にすることが増えたと思っている人は多いだろう。6年間をともに過ごす相棒だから、子どもが本当に自身の好きな色を選べるように。そして、常に背負う物だから、丈夫さ、軽さ、耐久性ももちろん必要だ。多様な要望に応え、ランドセルは年々進化してきた。
今年春にデビューした〈+CEL(セル)〉は、75年以上ランドセルを作り続けてきた〈セイバン〉が新たに手がけたブランドだ。ファーストコレクションとなる2024年モデルは、伝統的なフォルムを追求した「PLAIN」シリーズ。長年の技術をいかした機能性の高さは言うまでもないが、一番の注目は、ランドセルの“かぶせ(蓋)”の裏側に染色家・アーティストの柚木沙弥郎の作品を使用していることだ。
柄は4種類。夜が明ける時間の美しさを捉えた『あかつき』、その色違いで、新生活が始まる子どもたちの勢いと贈り主が感じている感情を表した『よろこび』、そしてアルファベットを文字ではなく図形として捉えて配置した人気の図版から『のぞみ』と『きぼう』だ。
柚木沙弥郎は「80歳を越えてから、より自由になった」と言い、昨年100歳を迎えてますます精力的に活動を続けている。今回の作品について、柚木はこう語る。
「『あかつき』はのぼる太陽ですね。朝にのぼる太陽の明るさ。その勢い、喜びを子どもたちから感じて、大人たちはランドセルをプレゼントするのだと思うんです。子どもたちがキラキラしてる、まずはそれからです。親は、子どもに対する愛情、そういうものでときめくね。おじいさん、おばあさんはまた違う感情を持っているでしょう。孫にランドセルを贈ることで、そういう立場になった自信というのかな、自分たちの人生を自覚して、余裕を持つ、そこが大事。余裕ができるでしょう? すると、子どもたちに与えることができる」
まっさらなランドセルをもらう喜びと贈る喜び。柚木の温かな作風がそのワクワク感と呼応し、より特別な存在として、子どもの相棒になっていってくれるはずだ。
各77,000円。カラーはブラック、レッド、ネイビー、キャメルの4色。レッドとキャメルは無地を含む全5柄、ブラックとネイビーはあかつき以外の全4柄。2024年度分は2023年8月末まで予約受付。12月下旬以降随時発送予定。