友沢こたおが感じる、不条理な社会。「自分、生きてるわ」と気づくためのアートの役割とは
―2022年3月に東京藝術大学を卒業されて、現在は藝大の大学院に進まれているそうですが、どんな生活を送られているのでしょうか。
友沢:もう、ひたすら絵を描く生活、という感じですね。学校に行っている時間以外は、自分のアトリエにずっとこもっています。
―大学卒業後、フルタイムの作家ではなく、引き続き学業を並走させていくことに決めた理由は何だったのでしょうか。
友沢:いま描いている絵は、自分なりにすべてを投入した精一杯のものなんですが、同時に「私のなかには、まだまだ眠っているものがある。あってほしいぞ」という感覚もあって。
それを引き出すために、もっともっと学んでいろんな刺激を受けたいと思いました。作家オンリーになったら、ひたすら創作のみの生活になってしまうと思うので、その前にもっと多様なカルチャーに触れる時間を持ちたかったんです。コロナ禍であまり大学に通えなかったこともあり、この場所でもっと吸収したいという気持ちが強いです。
ちなみに最近では、尊敬する小林正人教授に「スライムじゃない絵を描いてみたら」と提案を受けました。私のなかに、もっといろいろなものが眠っているはずだ、と感じてくれているがゆえの言葉だと思うので、頑張らないと、と思っています。