坂倉準三・藤本壮介の名建築で『建築映画館2023』を開催。
坂倉準三の名建築・旧〈東京日仏学院〉校舎内の講演会・視聴覚ホールで開催される『建築映画館2023』は、建築映像作家/建築家の瀬尾憲司らが企画、今回が初開催となる。上映作品は製作国、時代、ジャンルをまたいで選定。「映画館という建築物に集うことで、映画のなかの建築をフレームの外へ拡張させ、実際の都市・建築の議論へとフィードバックすることを目指す」としている。
映画祭では5つのテーマに分けて作品を上映。テーマ1「構造」では、ショット構成やフィルム、ビデオテープなど、映画を成立させるための構造への操作によって喚起される空間体験が、建築と密接に関わる作品を上映する。
テーマ2「建築と人物」では、特定の映像を撮った人物や映像に映る人物が作品に関わっている映画を上映。施主、利用者、設計者といった人物と建築の関係を巡って、プログラムを選定した。
テーマ3「図面」では、映画をもとに図面を描き起こして分析・批評する方法により、映画と建築の関係性を再考することができる作品を上映する。
テーマ4「アーカイブ」では、保存・継承されてきた映画の中の建築空間を体験することで、建築を記録・伝達する試みを見つめ直す。
テーマ5「都市」は、都市の全体像を捉える方法のひとつとしての映画を製作する行為が、みずから生み出した都市像を人々に伝え、現実の都市へと影響を及ぼした作品を上映する。
なお映画祭期間中は、新旧校舎ともに教室内を除いて見学可能。他のイベントや授業などの妨げにならないよう、名建築を散策したい。
マン・レイの実験的映像から、ル・コルビュジエの建築を真正面に捉えたドキュメンタリー、レム・コールハースが製作に加わった短篇など、さまざまな国の映画を一気に楽しめるこの機会をお見逃しなく。
〈アンスティチュ・フランセ東京〉東京都新宿区市谷船河原町15。2023年2月23日~26日。チケット料金1,500円~。