鳥取県立美術館が館長予定者を発表。元鳥取県立博物館館長の尾﨑信一郎を選任
の館長予定者に、鳥取県教育委員会事務局美術館整備局の美術振興監を務める尾﨑信一郎を選任したと発表した。
尾﨑は1962年鳥取市生まれ。1992年大阪大学文学部大学院芸術学研究科博士課程単位取得修了。1987年より兵庫県立近代美術館に学芸員として勤務。1995年より国立国際美術館で研究員、1998年より京都国立近代美術館で主任研究官として勤務した。2006年からは鳥取県立博物館に美術振興課長として勤務し、2021年に鳥取県立博物館館長。2022年より美術館整備局美術振興監を務めている。
これまでの主な担当展覧会は「重力-戦後美術の座標軸」(1997、国立国際美術館)、「Out Of Actions – Between
Performance and the
Object」(1998、ロサンゼルス現代美術館ほか巡回)、「痕跡-戦後美術における身体と思考」(2004、京都国立近代美術館)、「生誕100年
彫刻家辻晉堂展」(2010、鳥取県立博物館)、「日本におけるキュビスム」(2016、鳥取県立博物館ほか巡回)など。著書に『絵画論を超えて』
(1999、東信堂)『戦後日本の抽象美術』(2022 年思文閣出版)、共著として『美術批評と戦後美術』(2007、ブリュッケ)、翻訳として『図鑑
1900年以後の芸術』(2019、東京書籍)などがある。全国美術館会議広報委員会副委員長、美術評論家連盟会員(常任委員)、美術史学会会員、美学会会員。
発表にあたり、尾﨑は次のようにコメントしている。
鳥取県立美術館は先行きの見えない重苦しい時代の中にほぼ日本最後発の県立美術館として船出することとなります。新しい美術館の最初の舵取りを任された者として、社会の中で美術館が果たすべき使命を常に忘れることなく、開かれた美術館という理念を実現すべくこれからも精進して参りたいと思います。
この10年の間、新しい美術館建設に関わってきた中で得た体験、そして関西を代表する三つの美術館に20年余りにわたって学芸員とし勤務したことによって得た知見と人脈を生かして、鳥取県立美術館が地域の誇り、そして誰にとっても明るく開かれた場となるようにこれからも全力で仕事を続けて参ります。二年後の開館に向けて引き続きの御支援を賜りますようにお願い申し上げます。
──プレスリリースより
鳥取県立美術館のコンセプトは「未来を“つくる”美術館」。鳥取県中央部にある倉吉市で、市立図書館が入る倉吉パークスクエアと国指定史跡である「大御堂廃寺跡」に隣接する場所に建設中で、槇総合計画事務所と竹中工務店のジョイントベンチャーが設計を担う。
新美術館は、民間の資金や経営能力を活用する「PFI方式」を採用。完成後の所有権は県に移管したうえで、維持管理・運営を鳥取県立美術館パートナーズが担う。学芸部門は県の直営だが、一部の企画展はPFIが学芸部門と協力するたちで担当する予定だ。