「どこにでもいる外国人」。第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展がテーマを発表
Foreigners Everywhere(どこにでもいる外国人)」に決定した。
このタイトルは、イタリア・パレルモを拠点に活動するコレクティブ、クレール・フォンテーヌが2004年に始めた一連の作品から引用されたもの。この言葉は、2000年代初頭にイタリアで人種差別と外国人嫌悪と闘ったトリノのコレクティブの名前に由来している。
次回のキュレーターを務めるアドリアーノ・ペドロサ
は、このテーマについて次のように説明している。「このタイトルの背景には、国家、領土、国境を越えた人々の移動と存在に関する様々な危機が蔓延している世界があり、それは言語、翻訳、民族の危険と落とし穴を反映し、アイデンティティ、国籍、人種、ジェンダー、セクシュアリティ、富、自由が条件となる差異と格差を表現している。このような状況のなかで、『どこにでもいる外国人』という言葉には(少なくとも)二重の意味がある。まず第一に、どこに行こうが、どこにいようが、必ず外国人に遭遇する──彼ら/私たちはどこにでもいる──ということ。第二に、自分がどこにいようと、自分はつねに、本当に、心の奥底では外国人であるということである」(プレスリリースより)。
来年のビエンナーレでは、外国人、移民、海外移住者、ディアスポラ、亡命者、難民、とくに南半球と北半球を行き来するアーティストに焦点を当てる。また、特別セクションでは、アフリカ、アジア、ラテンアメリカ、そしてヨーロッパのその他の地域を旅し、移り住んだ20世紀のイタリア人アーティストのディアスポラに捧げられるという。
「ビエンナーレそのものが、様々な国が数多く参加する国際的なイベントであり、つねに世界中の外国人による作品展示の場となってきた。このように、第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展は、外国人、遠方からの参加者、アウトサイダー、クィア、そして先住民の祭典となるだろう。2024年にヴェネチアで皆様をお迎えできることを願っている」(ペドロサ)。