下級生向け学習アプリ開発で児童イキイキ 大阪・城南学園小のプログラミング教育
「操作方法がわかりやすいように、ヘルプページを別で作ればよかったかな」
1月下旬、5年生の松岡梨華さん(11)が学習アプリの改善点について、一緒に作成した班の4人と検討していた。直前の授業時間には、2年生に実際にアプリを使ってもらい、操作性を確認。「もう1回やりたい!」と夢中でタブレットを操る2年生に5人は笑顔を見せた。
2~4年生が使う学習アプリの開発は、昨年11月から総合の時間を使い、5年生が数人ずつ班に分かれて取り組んだ。
2年生向けに作ったアプリは算数と国語、生活の3種類で、ストーリー仕立てで国語や生活にちなんだクイズを出したり、計算問題をクリアすればドラゴン退治ができたりと、下級生が飽きてしまわないよう工夫を凝らした。
アプリ開発に使ったのはプログラミングを感覚的に学べるアプリ「スプリンギン」。開発した福岡市のIT企業「しくみデザイン」によると、平成29年から無料配信を開始し、福岡市教育委員会が市内の全公立小中学校で導入するなど、全国約500校で活用が進んでいる。同社の中村俊介代表は「子供たちが楽しくクリエーティブになれる環境を作る一助になれれば」と教育現場でのさらなる活用を期待する。
授業を担当する荒浜豊樹教諭(35)は「下級生の学習力向上のためにどんなアプリが必要かを考え、試行錯誤を重ねることで、課題解決力や論理的思考が育つ」と効果を実感する。
プログラミング教育は苦手意識を持つ教諭も少なくなく、学校によって取り組み内容にばらつきがあるのが現状だ。荒浜教諭も専門知識はなかったという。「子供の方が今やアプリを使いこなしている。先生だからと教えることにこだわらず、一緒に学ぶ形で良いのでは」と話していた。