紙の新たな可能性を探るプロジェクト『紙工視点 2022』とは。
1963年の創業以降、半世紀以上にわたり紙の印刷や加工を手がけてきた〈福永紙工〉。2006年からは、クリエイターとの協働によるオリジナル製品の開発・販売や、オリジナルショップの開業など、多角的なアプローチで紙の新たな魅力と可能性を発信している。
2018年に第一弾が発表された『紙工視点』は、そんな〈福永紙工〉が紙の持つ可能性をさらに探究しようと始めたプロジェクト。ディレクターを務めるグラフィックデザイナーの岡崎智弘が、各分野で活躍する建築家やデザイナーとともに、〈福永紙工〉の技術を用いて新たな紙のプロダクトを制作する試みだ。
4年ぶりの第二弾となる『紙工視点 2022』には、DOMINO ARCHITECTSを率いる建築家・大野友資、クワクボリョウタと山口レイコによるアートユニット・パーフェクトロン、空間デザイナー/設計士・五十嵐瑠衣が参加。3組それぞれが、自由な発想と視点で、紙の可能性を拡張するプロダクトを手がけた。
五十嵐瑠衣が制作したのは、鳥の形をしたオブジェ《ペーパーバード/ PAPERBIRD》。紙でできた菱形のパーツを組み合わせて完成させる作品で、大小さまざまなパーツは自由にスタッキングが可能。自分だけのペーパーバードの姿を作り出せるのが楽しい。
大野友資が手がけたのは、卓上の収納棚《paper rack》。紙だけを使っていながら強度を引き出す設計を用いたことで、棚として十分な安定感を持つ。カラーバリエーションも鮮やかで、素材が紙とは分からないほど自然にインテリアとも馴染む。