ウクライナ、ヴェネチア・ビエンナーレへの参加を表明。首都キエフから作品の避難に成功
今年のウクライナ館は、マリア・ランコ、リザヴェータ・ジャーマン、ボリス・フィロネンコの3人のキュレーターが参加しており、ウクライナ人アーティスト、パブロ・マコフの72個の銅製ファンネルで構成された作品《Fountain
of Exhaustion》を展示する予定となっている。
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同館ステートメントによると、2月24日にロシアがウクライナを侵攻した際、制作チームは安全な場所に避難。そのためすべての作業が中断されたという。キュレーターのひとりであるマリア・ランコは1週間以上かけて都市間を移動。ウクライナ文化情報政策省の支援によって同行していた数名のメンバーとともにウクライナを離れることができたと過酷な状況を伝えている。
こうしたなか、ウクライナ館チームは攻防が続く首都・キエフから作品のパーツを避難させることに成功。残りの制作をヴェネチアで行う予定だという。
キュレーター陣は、「このような時代だからこそ、展覧会でのウクライナの表現はこれまで以上に重要。ロシアによって我々の文化の生存権が問われているいま、我々の成果を世界に示すことが極めて大事だ」とのコメントを発表している。
しかしながら状況は予断を許さない。同館によると、アーティストのパブロ・マコフや、残るふたりのキュレーターがヴェネチアに合流できるかどうかは依然不透明であり、「結局はこれは戦争なのだ」と締めくくっている。
なおヴェネチア・ビエンナーレの主催者側は、ウクライナ館への全面協力を表明している。