初回のフリーズ・ソウルで感じられた韓国アートマーケットの熱気
フリーズのアジアにおける初の試みとなる初回のフリーズ・ソウルには世界20ヶ国から110以上のギャラリーが参加しており、そのうち約30パーセントはアジアのギャラリーとなっている。会場の1階では、韓国ギャラリー協会が主催するアートフェア「KIAF」も同時に開催されており、フェア開幕前からソウル市内のギャラリーや美術館による様々な展覧会やイベントが含まれるフリーズ・ウィークも展開されている。
フリーズ・ソウルのディレクターであるパトリック・リーは開幕に先立ち、「これは、映画、音楽、美術館、デザイン、ファッション、アートなどの文化を満喫する1週間だ。この1週間を通して、ソウルが伝えているものを体験していただければ」と話している。
昨年10月にソウルに新しいスペースをオープンしたタデウス・ロパック・ギャラリーのブースでは、ゲオルグ・バゼリッツが1969年に制作した絵画《Der
Hochstein》をはじめ、アレックス・カッツ、ロバート・ラウシェンバーグ、アントニー・ゴームリーなどの作品を展示。初日の午後5時までには、トム・サックスの作品4点(5万ドル~30万ドル)や韓国人アーティストであるイ・ブルの平面作品《Perdu
CXL》(19万ドル)、アルヴァロ・バーリントン、マルタ・ユングヴィルトなどの作品が、韓国、中国、シンガポールなど主にアジアのコレクターによって購入されたという。
今年8月末にソウルにおける2つ目の拠点をオープンしたギャラリー・ペロタン
は、フリーズ・ソウルとKIAFに同時に出展。フリーズでは、バハマ生まれのアーティストであるタバレス・ストラカンの個展を行い、KIAFでは、朴栖甫(パク・ソボ)、ベルナール・フリズ、タカノ綾など同ギャラリーの取り扱い作家13名の作品をグループ展で紹介している。
ストラカンの作品は初日にすべて売約済みだったという。ギャラリー・オーナーのエマニュエル・ペロタンは、「新しいギャラリーをオープンし、新たなコミットメントができることに満足しているし、誇りに思っている。私のチームは素晴らしい仕事をしてくれていて、とても嬉しくて幸せだ」とコメントしている。
今年ソウルでのスペースを拡張し、フェア会期中に新たな屋外ガーデンなどを披露したペース・ギャラリーは、ゲルハルト・リヒターやアグネス・マーティン、マシュー・デイ・ジャクソン、アダム・ペンドルトンなどの作品を紹介。初日には価格非公表の奈良美智の彫刻作品に加え、アダム・ペンドルトンの絵画が47万5000ドル、マシュー・デイ・ジャクソンの新作絵画2点が17万5000ドルと15万ドル、ブラジル人アーティスト、マリナ・ペレス・シマオの絵画が12万5000ドルで取引。いずれも韓国の美術館に購入されており、好調な売り上げが報告されている。
同ギャラリーのパートナー兼アジア総裁・冷林(レン・リン)は、「初回のフリーズ・ソウルでは、多くの国際的なギャラリーが真剣に取り組んでおり、非常に好評を博している」と述べている。
ハウザー&ワースでは、初日に280万ドルのジョージ・コンドの新作絵画《Red Portrait
Composition》や、180万ドルのマーク・ブラッドフォードの《Overpass》、55万ドルのラッシード・ジョンソンの《Surrender
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